里山俱楽部自然農場日記4月号 N099

2017.4.5


さまざまな人参たち

里山倶楽部自然農場日記4月号 NO99

 

いよいよ農場も端境期に入ってきました。野菜の端境期って一体何のことでしょう?答えを簡単に言ってしまうと「畑に野菜がなくなってしまう期間の事」 え!畑に野菜がなくなってしまう?そうなんです。どうして野菜がなくなってしまうのでしょうか。スーパーに行けば野菜がない時期なんてないですよね。1年中売り場にはあふれんばかりの野菜が並んでいます。

では農場のセット野菜とスーパーの違いを説明させていただきます。

農場・・・露地栽培といってビニールハウスを使わず、太陽の光を一杯に浴びた大地で直接栽培します。最も自然な栽培方法で有機野菜はほとんどがこの方法で作られています。この方法だと端境期が1年に2回出現してしまいます。春と秋です。春は冬野菜が終わって夏野菜の収穫が始まるまでの間。秋は夏野菜が終わって冬野菜が収穫できるまで。農場の場合は春の端境期が大体3月から4月の2か月間くらい。秋は大体9月の1か月間くらいです。特に春の端境期が2か月もあるのが野菜セットにとってはつらい期間です。なぜそんな時期があるのでしょうか。早くきゅうりの種をまいて、大根が終わったらすぐきゅうりが収穫できるようにしたら良いではないか。ところがどっこい、そうはいかない理由があるんです。普通の野菜は一部を除いて、種をまいて収穫できるまでがおよそ3か月くらいです。3月に冬野菜が終わるわけですから、それに間に合うように夏野菜の種をまくには12月に種まきしなければなりません。でもそれでは寒すぎて夏野菜は育ちません。どうしても桜の花が咲くころまで待たねばならないのです。ビニールハウス栽培だとある程度端境期を短縮できますが農場にはハウスが1棟しかありません。

スーパーで年中野菜があるわけ・・・①ハウスで栽培された野菜がほとんどです(ハウスでボイラーをたいて冬にトマトやきゅうりを生産している)。②九州や、北海道という地域差を利用して全国から野菜を調達している。③外国の農産物をたくさん扱っている。

「端境期」お分かりいただけたでしょうか。農場のセット野菜にとってもちろん端境期はつらいですが、農場には他の農家にはない好条件があります。それは農場が里山にあるということです。この端境期に里山のめぐみをいただけるのです。ふきのとうや原木しいたけ、セリ、山三つ葉、みかん、栗、タケノコ、ヤマブキ、先輩が植えていただいたはっさく等です。

あ・そうそう!・・・この時期農場のセット野菜にあって、スーパーには絶対ないものがあります。それは色々な種類の菜花です。ハクサイナバナ、小松菜ナバナ,シロナナバナ、てんのうじかぶらのナバナ、ターサイナバナ、チンゲン菜ナバナ等です。どんな野菜もトウ立ちして花を咲かせ、子孫をのこすための種をつけます。このナバナ類がそれぞれ味が少しずつ違って美味しいのです。農場にとって端境期の貴重な野菜さんたちです。

 

今年の冬野菜の成果を報告します。

よくできた野菜…里芋、さつまいも、レンコン、

失敗作・・・大根、人参   大根、人参の失敗の原因が昨年の秋の長雨と思われます。種をまいて発芽してこれから大きくなるという時に長雨のために根腐れしてしまったようです。EM自然農法の提唱者、比嘉照夫曰く、EM自然農法で土が微生物の宝庫になれば天候異変にも左右されない丈夫な作物ができるはずと言ってます。まだまだ未熟な自然農場です。

 

お客様の声

 

レンコンの季節が終わって寂しいばかりです。息子2人はレンコンの素揚げに塩をまぶしたのが大好きで、あまり野菜の食べない次男(3歳)が、スーパーでレンコンを見つけてカゴに入れてきた時は驚きました。前回の小さなブロコリーも2人で奪うように食べていました。                     (J様)

 

いつもありがとうございます。原木しいたけ、とても肉厚で風味豊かで重宝しています。キクイモお手紙にあったようにキンピラにしたら、とても美味しかったです!

(Eさま)

 

里芋、皮つきをなべで蒸し焼きにするのにはまってます!

(Kさま)

 

菊芋をきんぴらにして食べました。美味!子供がよろこんで食べてくれてよかったです。

(Hさま)

 

たまちゃんのつぶやき

 

農場の出荷場は「持尾」にあります。大阪府ですが、ここは平地よりも気温は低め・・・その出荷場から見える小さな山は今とてもきれいです。その山には黄色やピンクや白の花が咲く木が植えてあって今の時期とてもカラフル。何の種類かは分かりませんが、まだ寒い日もあるこんな頃、花満開のその山を見て気分だけでも春~です。

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