里山倶楽部自然農場日記8月号 NO103

2017.10.4


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里山俱楽部自然農場日記8月号 NO103

今月は農場にとっては奇跡と言える話題を紹介します。

折に触れて田んぼの雑草の事を書いてきました。無農薬農業でのお米作りのポイントは田植えが終わった後に生えてくる「草」を如何に処理できるかという点です。化学肥料は使わなくても有機肥料で十分です。むしろ有機の方が味はもちろん、病気にも強い稲が育ちます。問題は草です。田植えをした後に生えてくる草が繁茂すると稲の根の養分は取られ、稲が分けつできず、収量が大幅ダウンになってしまいます。除草剤は使いません。そこで自然農法の先人たちは色々試行錯誤して田草と戦ってきました。それらの先輩達の方法を私の知る範囲で列挙してみます。

1アイガモ農法 2田植え後ヌカを散布してヌカの発酵で雑草の種を発酵させる。 3田んぼに紙マルチをひく。 4布マルチをひく 5車のすべり止めチェーンを使って雑草をひきぬく 6田んぼにこいや、フナを泳がせて雑草を浮かせる。 7冬から水をいれたままにしておく。 8除草機を使う 9手で取る

さまざまな方法がありますね~。これらをみるといかにこれといった決定的な方法がないことが分かります。帯に短し、たすきに長しです。先輩たちの苦労がしのばれます。いやいや先輩どころか、現実の私たちも苦労しているのです。上記の中で私が過去挑戦した方法は 2、4、8、9です。この数年やっている方法は 5、9です。

今年も田植え後3日ごとに4回チェーンをひきました。今年はチェーン除草も工夫しました。去年までは1方向だけでした。ところがこれではどうもまずい事が分かってきました。というのは1方向ですと同じ方向に稲が倒れます。倒れた稲の下には草が隠れてしまうわけです。倒れた稲が雑草をカバーすることになり結果十分な除草ができないことがやっと分かったのです。そこで今年は縦と横2方向でのチェーン除草をしました。これが功を奏したのです。さらにここからが意図しない奇跡がおきたのです。
この加納の田んぼは一昨年まで雑草だらけのひどい田んぼでした。一昨年はほとんど収量がありませんでした。去年は必死の手での草取り除草で何とか面目を保ちました。今年も覚悟していたのですが・・・。
この田んぼで今冬、春きゃべつと晩生の玉ねぎを植えました。春キャベツは比較的早く収穫が終了したのですが、晩生の玉ねぎがなかなか結球せず、田植えの6月上旬ギリギリに収穫を終えました。あわてて鶏糞とEMボカシを散布して起こし、すぐ水を入れて代かきしたのです。すぐに水を入れたため、ボカシが土の中で異常醗酵して田植えをした稲の根が根腐れするんじゃないかと心配でしたが、持ち前のいい加減さで「やってしまえー」と田植えを強行したのです。

相棒のPさんがチェーン除草した後で「鈴木さん、田んぼの表面に変な油が一面浮いている。あれって何だろう。変なものでなければいいが・・・」3日後私がチェーン除草しました。確かに田んぼの水面に油が光って浮いています。すぐに何の油か分かりました。ボカシの主成分である米ぬかの油なんです。代かき直前にまいたEMボカシの主成分である米ぬかが土の中で醗酵したものと思われます。4回のチェーン除草が終わって驚いたのは雑草が全くないのです(田んぼの端や隅にはあったが)。チエーン除草と米ぬか油の相乗効果で雑草の芽がダメージを負ったのだと確信しました。特に上記の 2 による効果で雑草の芽が発酵してしまったのでしょう。単独ではなかなか効果が上がらなかった雑草対策が縦横のチェーン除草と水を入れる直前に散布したEMボカシの相乗効果でこのような驚くべき効果が出たのだと確信しました。
もちろん来年はこの方法で他の田んぼにも挑戦します。これが一定の効果が出たら私はノーベル賞もらえるでしょう(大笑)。

たまちゃんのつぶやき

トマトがとれ始めました。大きいトマトと、小さなミニトマト、苗を植えて支柱を立てて、倒れないようにひもでくくって、脇芽をとって・・・さぁ収穫!!という時に、今年は害虫が大発生。実が虫に食べられて、穴をあけられているトマトがたくさん。トマトは実のなる数が少ないので余計にショック・・・4日ほど前には着いていなかったのに・・・セットに入る分ちょっと少なくてすいません。

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