里山倶楽部自然農場日記7月号 NO114

2018.7.5


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里山倶楽部自然農場日記7月号 NO114

 

この度はたくさんの方からお見舞いの連絡いただきました。ありがとうございました。里山倶楽部自然農場は大阪府南河内郡河南町という大阪でも南部地方のため、幸い何もなく無事でした。亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、被災された方に心からお見舞い申し上げます。

 

いつもこの日記を書くときは「ながら」族です。私はクラッシック音楽が好きなので大抵クラッシック音楽を聴きながら書きます。今回この7月号を書くにあたってドイツの指揮者フルトヴェングラーのベートーヴェンの交響曲第9番、通称「合唱つき」をバックに選びました。ところが最初の出だしの音が始まるや、もうダメ。フルトヴェングラーの世界に引き込まれて文章に集中できないのです。この演奏は1951年の演奏でもちろんモノラル。バイロイトでのライブ録音で会場の雑音も結構入っている代物。現代のCDの澄み切った音と比較できません。1951年と言えば私が生まれて4年目。戦後間もない時期の演奏です。フルトヴェングラーは、戦後ナチに協力したと批判されて苦しい日々を過ごしていました。そんな苦しみが少しずつ和らいで、世に問うた演奏がこの演奏と思います。彼の演奏は自己主張の塊です。いい言葉で言えば最後のロマン派の演奏と言えます(本人はそう言われることを嫌ったそうですが)。ベートーヴェンの楽譜を自己の思い通りに解釈していきます。テンポも速くなったり、遅くなったり。見事としか言いようがありません。現代はこのような演奏は最も嫌われ、楽譜に忠実に演奏すべきだというのが現代の演奏の考え方です。でも現代にも異端者はいるもので無手勝流の演奏家もたまにいます。でもそのような演奏はすぐに飽きてしまいます。ところがフルトヴェングラーは違う、僕にとって・・・。僕にとって高校時代から今に至るまでベートーヴェンの第九といえばフルヴェンなのです。

ということでここまで珍しくバックグラウンドミュウジック無しで書いてきました。ここからはさみしいからモーツァルトでも聞きながら・・・

 

今年の玉ねぎは悲惨でした。玉ねぎ作り20回(20年)やってきましたが今年ほどひどくみじめな年はありませんでした。今回は珍しく苗作りもうまくいって、草の処理もまずまず・・・。それなのに春になってさぁ大きくなるぞというのにいつまでたってもラッキョウのよう。過去18回はマルチを使っての栽培でした。その当時はそんなに出来不出来の差はなかったのですが、前回から地元の有機農家の方からマルチを使わないやり方を教えていただきました。そのやり方で去年はなかなかいい結果が出ましたので、今回もそのやり方を踏襲したのです。ところがこの有様。その方と私の違いは肥料が多いか少ないかのように思われます。以前からお話しているように自然農場は極力肥料を入れないように抑えています。基本的な考え方が違うのに安易に同じやり方をしてしまった私の弱さが出てしまったと反省してます。来年は定植に時間はかかるけど昔のやり方に戻そうと考えています。高い授業料になりました。それ以上にお客様に迷惑がかかることが辛いです。

 

5月から野菜セットの値段が大幅に上がりました。農場の野菜の値段を上げたのではありません。配送にゆうパックを利用しているのですが、とてつもない値段(倍近い8割UP)を言ってきました。そのため野菜セットの値段を2570円から3000円に上げざるをえなくなりました。当然お客様からはクレームがきて野菜セットをやめる方がたくさんおられると覚悟していました。それを見込んでセットが減る分他に新たな販売先を見つけて作付けも大幅に増やしました。ところがふたを開けてみると止められたのはお一人だけで他の方々は何もおっしゃいません。セットのお客様はほぼ現状維持、作付けを増やした分作業が大幅に増えてしまったという嬉しいお話でした。

 

先日道の駅に野菜を出荷に行った時の事。トイレに行ったのですが焦っていたためトイレにポーチを忘れてしまいました。忘れたと気付いたのがおよそ1時間後。慌ててトイレに戻ったのですがすでにポーチはありません。ポーチには財布はもちろん、スマホ、免許証まで一そろい全部入ってました。さすがに心臓がとまりました。藁にもすがる思いで道の駅の事務局に駆け込んだところ、何と、見も知らぬ人が届けてくれていたのです。事務局が届けてくれた人のお名前と電話番号をひかえてくれていたので、後日その方にお会いして丁重に御礼をさせていただきました。まだまだ日本は見捨てたものでないですね。それに比べると日本をリードすべき官僚や、政治屋の嘘やごまかしの多い事・・・。日本のモラルはどこにいった?私の周りは素敵な尊敬すべき人ばかりなのに・・・。

 

この日記に「たまちゃんのつぶやき」という欄があります。「たまちゃんて誰なの?」という質問を聞きますので紹介します。彼女は数年前から農場を手伝いながら無農薬農業を目指しています。自然農場はセット野菜が中心ですので当然お客様は女性が中心です。それに対応するには主婦としての女性の目線が大事です。男ではなかなか対応しきれません。今や農場にとって貴重な人材となっています。

 

たまちゃんのつぶやき

 

夏野菜がとれ始めました。今年はアブラムシが多く、オクラの葉やインゲンについています。春大根は全滅しました。目で見て葉や実をおとしたり手でとりのぞいたりしています。ミニトマトは赤くなり始めたのですがどうも鳥さんが赤くなった物を先にみつけるようで・・・防鳥ネットが必要かな・・・など悩みはつきないところです。

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