里山倶楽部自然農場日記5月号 NO124

2019.5.1


2019年夏野菜苗

里山倶楽部自然農場日5月号 NO124

 

先日「里山での有機農業」という題である業界紙に投稿しました。今月はその下書きの原稿を紹介させていただきます。

 

里山での有機農業

 

里山倶楽部自然農場  鈴木 計

 

1995年、阪神淡路大震災の年に証券界での仕事をやめ、以来20年以上EM自然農法という微生物資材を利用した有機農業を実践してきました。10年間三重県伊賀上野でやってましたが、10年前友人を通して大阪府南河内郡河南町にあるNPO法人里山倶楽部の代表の方より次のようなお誘いをいただきました。「今里山は放棄田であふれかえっている。何とかその放棄田を活性化できないものか。ぜひ鈴木さんの力を貸して欲しい」という依頼でした。当時私は単身で三重県で活動していたのですが、河南町でしたら家から通えることもあり、思い切って里山倶楽部のお世話になることに決めました。

来てみてビックリ!富田林から10分~15分車で走るとそこはまさにイノシシが闊歩する中間山地。しかも畑にしようとするところは田んぼのあと地。粘土質で水はけの悪い耕作地ばかり。三重県とはあまりに大きな違いで、そのような環境に慣れるのに3年かかりました。現在放棄田を8カ所。内訳は畑が1町歩、田んぼが1,5反。8ヶ所があちこちに点在しているため非効率極まりありません。トラクターを移動するのにも運搬するトラックもなく一般道を自走して移動する効率の悪さ。そのような悪条件の中での有機農業はとても厳しいものがあります。また有機農業にはどこからも金銭的な補助がありません。農協も国も有機農業には歯牙もかけてくれません。まさに孤立無援。お客様の応援の言葉と自己の信念だけ。

私の夢は「日本を無農薬国家にする。それには有機農業で一人前の生活ができる若者をたくさん輩出する。」でした。その目標目指して馬車馬のように働いてきましたが、中々目標に近付くことができません。里山では私の思いをかなえることは難しいとあきらめかけていた時、ふっとひらめいたのです。

「そうだ!私一人が踏ん張ってもかなわないのだったら、逆にこの里山を利用してなにか社会にお役にたつことがないだろうか?」そして導き出されたのが都会の方々に私が20年蓄積してきた有機農業のノウハウを学んでもらうことでした。そして5年前「スモールファーム自給塾」を立ち上げたのです。大規模集約農業、効率ばかりを求めて資本の論理を追求する国の政策は日本には適していません(国連も2019年から「家族農業」こそが食糧不足を解決する方法だと提唱しています)。まさに国の方向とは反対のスモールファームこそが日本の農業の目指す方向だと確信したのです。古い言葉ですが「農は国の基なるぞ」という言葉があります。現在の低い自給率では国の存続が危ぶまれます。

まさに現代の日本では誰かに頼っていては生きていけません。自分の家族は自分で守る。今こそ自給自足こそが現代に求められているのです。

日本の経済発展?は農村の優秀な労働力を都会に集中させて自動車やテレビを作ってきました。その結果農村は疲弊し、農業は衰退してきました。今こそ逆に都会から中間山地への人の流れを作り直さねばなりません。まさに里山での有機農業こそが日本を救う手立てとなるのです。専業農家になるも良し、週に一度の家庭菜園でも良し。里山には捨て去られようとしている土地がたくさんあります。今こそそのような土地を活用して農業をしましょう。

さらに今年から、スモールファーム自給塾を卒業して自分で自給農業を実践したいという人の為に放棄されかけている農地をお借りして「イポイポ村」(一歩一歩進むという意)を立ち上げました。これで学びと実践の二つのレールが完成したのです。読者の皆さん、ぜひ里山での有機農業を体感してください。

 

お客様の声

 

玄米米粉、製菓用ではないと書かれてありましたがちょうど米粉でマドレーヌを焼こうとしていたので玄米米粉を使ってみたら、とても美味しくやけました!(自画自賛ですが・・・)ふんわりぬかのようないい香りがします。大根いただきました。とても甘くて美味しくて、娘も「あま~い!」とぱくぱく食べていました。ありがとうございました。

(Nさま)

 

よそで買った有機レンコンでいつも通りレンコンチップを作ったら、いつものチップと違うと言われました(笑) なんかカリっとせず味ももう一つって!来季もたくさん植えて下さい。                          (Mさま)

 

春野菜ありがとうございます。菜の花の苦みが苦手な子供は、ギョウザにしたら美味しく食べてくれました。                      (H様)

 

たまちゃんのつぶやき

 

今年は長く楽しめた桜も散り始めました。来年もまた会えますようにと思いながら・・・ズッキーニやキュウリの種をまいたり、これからの夏野菜の準備におわれてます。もうすぐ暑い暑いという季節になりますが、今は風も心地よく、気持ちのいい季節です。でもお豆ができるまでどんどん野菜の種類が少なくなって・・・春大根もさすがにトウがたってきました。あッブロッコリーもどんどん小さくなって・・・などなどご迷惑おかけしてます・・・。

 

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