『学びより♪』が、始まりました。
この春、<里山と暮らすワークショップ>に、新たな仲間『学びより♪』が加わりました。
体感重視の『里山日和♪』の中にあって、
春・夏・秋・冬・そして、里山を伝える写真展へと展開する全5回の、
生物多様性を軸とした“学び”を深めるワークショップ、それが『学びより♪』です。
4月の春編では、源流の水が流れ込む谷合いの棚田と、
その水を育む薪炭林、里山の景色をギュッと詰め込んだ様な環境を舞台に、
生き物を知る動植物調査と、
蓬を摘んで、季節を味わうヨモギ餅作りなども楽しみました。
合言葉は“未来へつなぐ”。
<この日に確認された植物の一部です。>
蕗の薹、蓬、シャガ、菖蒲、猫の目草、浦島草、蕨、馬の足形、くさの王、
茜、花筏、油チャン、八重葎、垣通し、ハコベ、セリ、藤、酸い葉、青木
橡、小楢、アベマキ、黐躑躅、野薊、木通、立坪菫、ノビル、桐、空木、茶の木、
真竹、矢竹、黄膚、など。
まだまだ沢山の植物があり、一日ではとても確認しきれず、
ましてや覚えきれない程の種類の豊かさ。
ギフチョウらしきが、空へと昇っていったり、
猛禽類の鳥が天高く、羽を広げて飛んで行ったり、
その姿一つ一つが、とても印象的でした。
動植物は名前を漢字で書いた時、
使われている文字から姿を想像するのも、 楽しい覚え方の一つです。
“猫の目?”、“馬の足形?”、“これ何て読むの?”、
特に、食べてはいけないもの、触れてはかぶれるもの、
何より一番は食べれるもの。
棚田の畦では、酸い葉をしがんで味わいました。
躊躇なく口にできたのは、 辺りが無農薬栽培だからこその醍醐味です。
目で見て、中には触れて、匂って、 鳥の声に耳を澄まし、時には食べて。
実際に足を運び、五感で学ぶ“生物多様性”。
そして“未来につなぐ”。
『学びより♪』は、<キヤノンマーケティングジャパン:未来につなぐふるさとプロジェクト>の助成を受けています。
そこで、冒頭に聞きました。
自然環境問わず、「今あなたが未来につなぎたいことは何ですか?」
これが、全5回を終えた時、 それぞれに見える景色は、どう変わっていくでしょうか。
または、変わらないでしょうか。
生物多様性は、多様な個々の立ち位置を知るところから、 その保全が始まります。
講座の中では、棚田へのご縁作りとして、 種籾まきも体験しました。
来月、この育った苗は『源流米パラダイス』へとバトンを繋ぎ、
田植えを行う予定です。
“里山と暮らすワークショップ”、
暮らしの景色の変化を、または変わらないことを楽しみに、
次回『学びより♪/夏編』は、7月14日(日)。「里山を記録する」より、カメラ教室やプチ田んぼ体験を予定しています。
<蓬餅の作り方>
①ヨモギを茹でて、刻んですり鉢で擦る。
②上新粉(米粉)と白玉粉を3:1とお好みで砂糖を混ぜ、
水を加えて耳たぶほどの柔らかさに練る。
③②を適当な大きさに丸めて蒸す。
④蒸しあがった③に①を加えて捏ねて完成!
<参加者のご感想>
・子供たちはいつも通りのびのびしてましたが…。参加者同士もわきあいあいと、いいふんいきで過ごせました。それぞれ得意分野があり、その方たちのお話をお聞きするのも楽しかったです。
・食べられるものや利用できるものがとても多かった。昔は使ってたけど、今は使われなくなったものがあるのが残念。もっと利用できたらいいのになーと思った。
・食べられる山野草の話が充実していた。谷筋の狭い範囲で非常に種数豊富な植生が印象に残った。
・帰りの会で一日の復習をされたこと(ふりかえり)が良かった。食べられる植物のことが印象に残った。
・講師の方のお話がおもしろかった。長く地域で活動されていると、そこは昔どういう所でとか、人のくらしがどうやって成り立っていたかなどとつながって、よくわかるフィールドワークになったと思う。人や虫、植物などがみんなつながっているんだなあということが実感できました。高い山、山奥深くにあまりたくさんの種類の生き物はいないというお話とかが印象に残りました。
・山の大好きな人達と山道を歩く。歩いているだけで楽しいのに、植物や虫を見ながら歩いていると自分も自然の生き物だったことに気づく。人にしか自然を破壊することもないが、守ることもできないことを思う。だからみんなに知ってほしい。楽しんでほしい。そして活動することにつながるのだ。(白井講師)
・里山倶楽部に参加させてもらって3回目になります。この時期に来たのは初めてだったので、また今までとはちがう景色が見れてよかったです。やっぱり春はいいなあ。食べられる植物や花がたくさんあって、生物の多様性の豊かさにいやされる想いです。この辺は昔からよくきていた所なので、なつかしい想いもうれしかったです。(飯島講師)