里山倶楽部自然農場日記10月号 NO93

2016.10.4


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農場は冬野菜の作付けの真っ只中。当農場では種や、苗を植える前に肥料として発酵牛糞とEⅯボカシ肥料をまきます。特に大事にしているのがEMボカシ肥料です。無農薬農業を実践している自然農場にとってボカシ肥料はとっても大事な肥料です。

今回はこのEⅯボカシ肥料についてお話ししたいと思います。

そもそもボカシって一体なんなんだ?字の通り何となくぼーっと効いてくる肥料の事。化成肥料のようにチッソ、リン酸、カリの成分がはっきりしているわけでなく、また効き目もまいたとたんに結果が現れるのでなく、何となくぼかされて効いてくるのでこの言葉の由来があるのだそうです。

ではボカシはどんな材料で作られているのでしょうか?農家によって若干違いはあるようですが、当農場は6割が米ぬか、2割が魚粉、2割が油かすで作っています。若干そこに骨粉を入れたりもします。そして重要なのがEⅯで発酵させて作ることです。EMとは以前も書きましたがEffective(有用な)Microorganisms(微生物たち)の略称です。乳酸菌、酵母菌、糸状菌、光合成細菌等人間にとって有用な菌の集合体をいいます。EM菌という菌があるわけではありません。それらの菌を前述した材料にまぜ、発酵させます。夏でしたら10日から2週間くらい、冬でしたら1ヵ月くらいでできあがります。出来上がったかどうかは匂いで判断します。甘いフルーティな香りがすればOKです。ヌカの匂いが残っていたら未完成。もう少し発酵させます。

EM自然農法では匂い(香り)で事柄の良し悪しを判断することが多いです。全てのものは発酵か腐敗かに分けられます。発酵は善玉菌が優位にたっている世界。腐敗は悪玉菌が優位にたっている世界。だから腐った嫌な臭いのものは腐敗しているわけですから畑には投入しません。そのような腐敗物を入れるとアンモニアが発生し、それを好む害虫が喜んで寄ってきます。万が一腐敗物を入れてしまった場合はEMやEMボカシをその上に置いたり混ぜれば善玉の微生物の力で一気に発酵物質に変わります(嫌な匂いが消えるから分かる)。微生物の世界は3割が善玉菌、3割が悪玉菌、残り4割が日和見菌に分類されるそうです。そして4割の日和見菌は善玉菌が強ければ善玉に付き、悪玉菌が強ければ悪玉に付くのだそうです。まさに人間の世界と同じですね。だから善玉菌が強い微生物の世界を作れば悪玉を簡単に消し去ることができるのです。

今地球上の環境は必ずしも良いと言えるような状態ではありません。酸性雨、放射能、中国からのPM2,5等・・・だからこそ微生物の力を借りて人が食する大事な食べものができる土壌の環境を良くしなければなりません。「自然農」のように一切何もしない農法では片手落ちと言わざるを得ません。

今回はEM自然農法を実践している自然農場の一番大事な、「微生物に対するおもい」をお話させていただきました。

お客様の声

夏野菜がとてもおいしいので、ラタトゥイユをたくさん作りました。スイカや、マクワウリも甘くておいしかったです。           (Hさま)

いつもありがとうございます。まくわ、とても美味しいです!夫が喜んで食べています。ナスも里山のものは別格!ぜいたく品みたいな気持ちで毎回いただいています!

たまちゃんのつぶやき

セミの声がめっきり聞こえなくなり、そのかわりにたくさんのトンボがスイスイ飛びかっています。暑いことは暑いのですが、おひさまのギラギラ感はずい分なくなりました。夏野菜の片付けをしながら、冬野菜の植え付けをしていくので、畑の景色も様変わりしてきています。今日から里山倶楽部のホームページが新しくなり、見やすくなりました。畑の様子ものっていますので、ぜひ畑の様子をご覧ください。今年は里芋やレンコンの葉が大きく育ち、今から収穫が楽しみです。         (9月5日記)

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