里山倶楽部自然農場日記4月号 NO111
国連が2014年に、「家族農業」が地球の食料危機を救うという決定をしていたことを最近知りました。そんなとき「国連 家族農業の10年」という記事がある新聞に載っていましたので紹介します。
昨年12月20日、今後の農業を大きく左右する出来事がありました。国連総会の本会議で2019年~28年を「家族農業の10年」とする議案が全会一致で可決されたのです。コスタリカが代表となり、日本を含む104か国が共同提案しました。
国連は世界に重要課題への取り組みを促す国際デーや国際年を設け、長期的課題については「国連の10年」を定めています。「家族農業の10年」は14年の「国際家族農業年」を10年間延長し、家族農業を各国の農業政策の中心に位置づけるために設定されました。
国連は家族農業を「農業労働力の過半を家族労働力でまかなう農業」と定義しています。家族農業は基本的に小規模経営で、雇用労働力に依存する大規模な企業的農業とは反対の定義です。
国連食糧農業機関(FAO)によると、家族農業は世界の農業の9割を占め、食料の8割を生産しています。規模で見ると世界の農業経営の73%は1㌶未満、85%は2㌶未満です。
これまで、先進国・途上国を問わず、小規模・家族農業の役割は過小評価されてきました。「時代遅れ」「非効率」「もうからない」とみなされ、政策的に支援すべきは「効率的」で「もうかる」「近代的農業」とされてきました。
近年、農業の効率性を測る尺度が変化しています。農業の効率性は、1人分の労働力でどれだけ収穫できるかという労働生産性のみで測れるものではありません。一定の土地でどれだけ収穫できるかという土地生産性は、大規模経営より小規模経営のほうが高いことが知られています。とりわけ、化石燃料への依存度が低い小規模・家族農業の隠れたエネルギー効率性が注目されています。
持続可能な農業として推進されている「アグロエコロジー」(生態系を守る農業)の実践でも最も優位性を発揮するのが小規模・家族農業だと評価されています。そのため、貧困をなくすことなどをめざす国連の「持続可能な開発目標」で、小規模・家族農業には中心的な役割が期待されています。
グラジアノFOA事務局長は14年の国際家族農業年に当たり、「家族農業以外に持続可能能な食料生産のパラダイム」(あり方)に近い存在はない」「国や地域の開発において、家族農業を中心とした計画を実行する必要がある」とのべました。
このように、小規模・家族農業の活性化なくして食料の安定供給、貧困・飢餓の撲滅、農村地域の資源管理や持続可能な社会の構築は不可能だということを国際社会が認識するようになり、政策のかじを大きく切っているところです。
こうした世界の動向伝えるため、昨年、市民有志が「小規模・家族農業ネットワーク・ジャパン」を立ち上げました。
日本政府は主要農産物を含む貿易自由化を進め、大規模化と企業参入、輸出振興を追求していますが、小規模・家族農業を支援する政策の転換が急務になっています。
(以上、記事終わり)
この国連の家族農業推進案になぜ日本が共同提案しているのか理解できません。現日本政府の農業振興策は・・・大規模農業による効率化追求(小さい国土なのに…)、種子法廃止(一部グローバル企業による種子の独占…)、一部大規模農業者による輸出振興推進策(国内の自給率は低いのに…)等々。国連の目指す家族農業とは真逆の政策です。
我田引水ですが、自然農場は3年前から小さな農業(スモールファーム)が日本を変えると見越していました。さらに付け加えると、都会の人が里山にきて農業をすればいいと・・・
この記事を読んで、微力ではあってもスモールファーム自給塾をますます発展させていきたいと意を強くしました。
お客様の声
いつもありがとうございます。青菜、ゴボウ、お鍋に入れて楽しんでます。 (Kさま)
コースターありがとうございました。早速使わせていただいています。 (Yさま)
たまちゃんのつぶやき
作業場のある持尾は梅が満開です。陽ざしもおだやかでもう薪ストーブも使わなくなりました。先日はじゃがいもを定植し、春の仕事がいよいよ始まってきました。桜の花が咲くとまた忙しくいよいよ始まるなーという感じです。今は端境期に入りお豆のできてくる5月はじめくらいまでご迷惑をおかけするかも知れません。 (3月15日記)