里山倶楽部自然農場日記2月号 NO121
いよいよ冬本番を迎えています。冬野菜は今が一番美味しい季節です。夏野菜は霜が降りると枯れてしまいますが、冬野菜は霜が降りると甘く、一層味が濃くなります。でも2月も中ごろになると自然界は春。野菜たちはトウ立ちして花を咲かせ、種をつけて子孫を残そうとします。ここで不思議なことがあります。私たちは野菜が十分成長してそれがマキシムになって(大きくなって)からトウ立ちの準備が始まるものと考えます。ところがまだ小さいからトウ立ちはしないと安心していると大間違い。大きい、小さいは関係ないです。彼らは季節が来れば子孫を残す準備をはじめます。不思議ですよね。季節を感じる(日照時間や、温度)遺伝子を持っているんです。
あッ!後先になってしまいましたが、トウ立ちは何故食に適さないのでしょうか?理由は種子を作ろうとして野菜が持っている養分がそちらの方に行ってしまい、葉や根菜が固くなって食するのに不適格になってしまうからです。
でも自然農場ではトウ立ちを待ちのぞんでいます。何故ならトウ立ち菜(菜花)がとても美味しいからです。小松菜、しろ菜、チンゲンサイ、ハクサイ、ほうれん草、大根、カブ、ネギ坊主等々のトウ立ち菜。スーパーでは売っていません。(最近たまーにチンゲン菜花が店頭に置かれているようです。)みんなそれぞれ味が違い個性豊かです。私が特に好きなのがハクサイの菜花です。菜花特有の苦みが少なくクセのない味です。今年はハクサイが大失敗でした。お客様に一つも食べていただくことができず本当に申し訳ないと思っています。畑に巻かない白菜がごろごろしています。3月初旬になるとその巻かなかったハクサイが一斉にトウ立ちしてきます。今年はハクサイのトウ立ち菜をたくさん食べて下さい。
ハクサイと言えば去年はとても立派なハクサイがたくさん収穫できて、作った私もびっくり!なぜ去年はうまくできて、今年は失敗したのでしょうか?去年は田んぼのあと地に白菜を栽培したことが良い結果を生んだのだと思います。里山倶楽部の仲間Uさんがお米を作っていたのですが、家庭の事情と本人の高齢化で田んぼを維持できなくなり、自然農場に委託されたのでした。農場ではその田んぼを畑に代えて白菜をつくったのです。ご存じのように田んぼには1年の内数カ月は水が入っています。水の力は凄いもので水によって土中の病害虫が駆逐されたのでしょう。そのため去年の白菜は虫もつかずスクスク大きくなってくれたのです。じゃー今回も田んぼのあと地でやればよかったんじゃないの?という声が聞こえてきそうですが、稲刈りが10月中頃なので白菜の定植に間に合いません。去年は1年間休耕田になっていたので9月に定植できたのです。今回も2匹目のドジョウを狙って同じところに栽培したのですが、案の定見事に失敗しました。環境の違いというのは怖いもので自然界ではちょっとした変化が様々な結果を生みます。
12月よりレンコン堀が続いています。レンコン堀で不思議なことがあります。例年2、3人の方がレンコン堀を経験させて欲しいと来られます。何故不思議かというと、極寒のなかで泥遊びをしたいという粋な人はほとんど90%が女性なのです。男性はお誘いしても100%「とんでもない!死ぬは!」とけんもほろろ。取りつく暇もなく拒否されますが、女性の場合はほとんどの方が先方さんの方から申し出てこられます。以前から不思議だなーと感じていました。女性のほうが進取の気象に富んでいるのでしょうか。男性は駄目ですねー。やはりこれをみても女性は強い!!
たまちゃんのつぶやき
霜が降りたり、うすく氷がはるようになりました。寒くなってくると、露地の野菜は寒さに耐えてがんばって葉っぱが黄色くなってきます。凍らないようにがんばっているお野菜パワーで、これからの寒さを乗り切ってくださいね。このところ、旬の野菜を4種ほどコトコト煮こんでミキサーでスープにしています。まとめて作っておくと何かと便利です。
れんこんはこの寒い中、手掘りです。ゴムのつなぎを着て、泥んこの中の作業はなかなか大変。泥の中、手探りで折らないように注意しながら・・・私はすぐにギブアップです・・・。小さめのところもうすくスライスしてチップスにしたりして召し上がってくださいね。
天王寺かぶら、すこし厚めに皮をむいて煮物にどうぞ。ツナと一緒に煮ても意外においしいです。