ワークショップ里山日和♪『竹炭焼き体験』のご報告
里山に辿り着くと、そこは一面の雪景色。
二日間に渡る「竹炭焼き体験」の始まりは、
参加者、スタッフ共にまずはカメラ撮影タイム。
寒の戻りにハラハラしつつも、冬の名残にときめいた、
嬉しいサプライズのお出迎えとなりました。
3月のテーマは「炭焼き」。
冬に伐った炭材を炭に焼くのが、里山俱楽部では早春のお楽しみです。
炭に焼くための材料を炭材と呼び、
今回は畑へ日陰を作るために伐採された“竹”を、その炭材として用いました。
ワークショップでは冒頭、黒炭・白炭・竹炭など、炭の種類と特徴や、
窯の構造について説明をした後、炭小屋利用した簡易シアターで、映像学習も行っています。
竹炭焼きの工程は、竹を窯の寸法に合わせて伐ったり割ったり、節を取ったり。
それらを竹炭窯に詰め、内壁を挟んで燃焼室や外壁を煉瓦や粘土で設えて、
土を被せて断熱補強。いよいよ窯に火入れをできたのが、一日目の午後3時頃でした。
ここからは、ひたすら窯の焚き口に薪をくべていきます。
参加者の声:「焚き火は何時間してても飽きない…」と。
そして夕方、第二部「焚き火と星と珈琲ナイト」の時間です。
夕方5時に、陽のまだ高い季節が巡ってくると、夕暮れまでの一時、工作を楽しめるような時間がうまれてきます。
この日は、竹炭で焙煎された珈琲を楽しむための“竹マグカップ”をそれぞれ作製。
竹炭窯に薪をくべつつ、コップづくりや、少し遅くなった夕食、ナイトシアターも楽しみました。
因みに、この夜のメニューは、竹炭焙煎珈琲にちなみ、里山風カフェプレート。
きのこの炊き込みピラフのオムライスと、真っ黒な“スミ”違いの、イカ墨スープパスタ。
春野菜のサラダ。
…ここから食事は、翌朝の真っ黒な竹炭パントースト、翌昼の竹炭を入れて炊いたご飯まで、
炭三昧が続いていきます…♫
夕食後は、ただただ窯の煙と温度、煙の色やその手触り、匂いを確かめながら、
薪をくべ、焚き口の空気量を調節し、最終、窯の口を完全に閉じたのは、
翌朝6時のことでした。
深夜、ご参加者の皆様の冷えた身体を中から温めてくれたのは、
毎年6月に収穫して仕込む、里山で漬けた無農薬の梅酒。
(今年の「梅しごと」は6/15の予定です。)
こうして、翌朝無事に竹炭焼きが終わり、あとは窯が冷めるのを待つ間には、
木の実などを炭材とする飾り炭の「花炭焼き」にも挑戦。
そして、珈琲講座も楽しみました。
産地の特性や珈琲豆の乾燥の仕方、レインフォレストアライアンス認証についての説明など、
実際に竹炭を使った手焙煎も実演いただき、
焙煎度合いのよる風味の違いや、淹れ方、保存の仕方まで、
眠たい身体と頭に、スッキリとしたとても味わい深い、豊かな一時。
昼食後には、春の里山散歩も楽しみました。
午後2時30分、ドキドキしながら、竹炭窯の口をオープン!
無事に焼き上がり、火種も残っていないことを確認し、一気に窯出し。
焼き上がった竹炭は、竹炭焙煎珈琲の焙煎燃料として買い取られ、
売り上げは里山保全活動の費用に。
また、竹炭焙煎珈琲の売り上げの一部も、里山保全活動に寄付されます。
保全×利用×循環。珈琲を楽しむことが、里山保全活動に繋がる。
“里山と暮らす”一つの形が、竹カップの中の一杯の珈琲に込められていました。
二日間に渡る竹炭焼き体験、焼き上がりはまずまずの大成功。
ご参加くださった皆様、応援下さったスタッフの皆様、二日間本当にお疲れさまでした。
雪に始まり、晴れたり曇ったり、夕焼け空に狐の嫁入りと、月明かりの綺麗な穏やかな夜。
夜空の蠍座が竹の熊手の様に見えてくるのは、里山あるあるでしょうか。
煙と向き合う夜を徹しての炭焼き、通り雨にも度々見回れながら、翌日午後の窯出しまで。
冒険と発見が混在したような、密度の濃い~い約30時間を、心を奮わせ楽しだ里山日和でした♪